2014年6月22日日曜日

『絶園のテンペスト』 感想


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絶園のテンペスト』という漫画を最近 Kindle で大人買いしたのですが、個人的には大当たりでした。
本編9巻 + おまけの10巻目で終わる程よい長さもあいまって、おすすめ度はかなり高め。

適当にストーリーを1行でまとめると、
『「そんなむちゃな」と言いたくなるような世界設定を押し付けられた主人公達が頑張って抵抗する話』
なんですが、「勝った!めでたしめでたし。」では終わらない世界観、雰囲気を持った話と、癖のある登場人物達が好きでした。絵も綺麗。

あとがきいわく、原作者さんの重要なテーマとして
『負けた後も人生は続く、さてそれをどうやって乗り切ったものか』
というものがあるそうですが、確かにそんな感じの漫画ですね。

主人公達は作中ずっと、論理的に、考えに考えて「理不尽な設定」と戦うんですが、
相手は自分たちの理解の及ばない存在なので、その論理が正しいかどうかなんてわからない、それでも、とにかく決断して行動をしなければいけない、と。

そんな中で「やってられるか!」と現実を放棄する事なく、自分で考えて何かを選んで、その選んだ道を正しいものとできるように、その中で失ったものに何とか意味を持たせられるように、選んだ後も頑張り続けるという在り方はいいなーと思いました。

結末(真相)に否定的な意見が出る気持ちはわかりますが、「論理的に考えたら勝てたはず」では作品のテーマが薄れそうですし、自分は気にならなかったです。

好みが分かれる、と評されている漫画のようですが、だからこそ実際に読んでみると良いと思います。

また、楽しい作品に出会えますように。

※同じ原作者が書かれた小説『名探偵に薔薇を』も面白かったのでおすすめです。

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