2014年6月28日土曜日

『名探偵に薔薇を』 感想 : 古さを感じさせない傑作探偵物


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絶園のテンペスト』と『スパイラル ~推理の絆~』の原作者である城平京さんの小説です。
両漫画が好きだったので『名探偵に薔薇を』がKindle版で販売されているのを見て買って読んでみました。

結構昔の作品(1998年発表)だったのですが、古臭さは全く感じず、読みやすくて面白かったです。
完全犯罪を可能にする架空の毒「小人地獄」がミステリーの軸だったのが、古さを感じさせないという点で良かったのかもしれません。

登場人物が少なく、舞台がコンパクトにまとまっているのも良いですね。余計な方向に話が逸れることがなく、グッと締まっている感じがします。

「Howdunit」(どうやったか)、「Whydunit」(どうしてやったか)もののミステリーとして面白い事に加えて、その事件を軸に描いた名探偵としての在り方、その悲劇もまた読み応えのある物語でした。

ミステリーの類が好きな人ならきっと楽しめるでしょう。
今までそれなりの量の小説を読んできましたが、その中でもかなりのお気に入りとなりました。

また、こんな作品と出会えますように。

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